補聴器外来

補聴器診療・相談について

 難聴は認知症の最大の原因になる!?日本耳鼻咽喉科学会ホームページ

 2017 年7月、国際アルツハイマー病会議(AAIC)は、「認知症の症例の約35%は潜在的に修正可能な9つの危険因子に起因する」と発表しました。「難聴」は、高血圧、肥満、糖尿病などとともに9つの危険因子の一つに挙げられました。その際「予防できる要因の中で、難聴は認知症の最も大きな危険因子である」という指摘されました。

「よい聞こえ」が認知症予防につながる!

 この事実は、難聴に対処することで認知症が積極的に予防できることも意味しています。つまり、補聴器をつけるなどして難聴に正しく対処し、適切な「聞こえ」を維持して脳を活性化し、さらに家族や友人とのコミュニケーションを楽しんでいれば、認知症を予防したり、発症を遅らせる可能性が高いというわけです。
 補聴器をつけることに抵抗を感じる人がいるかもしれませんが、「よい聞こえ」を取り戻すことは、QOL(Quality of life=生活の質)を高めるだけでなく、認知症を予防することにもつながります。(日本耳鼻咽喉科学会ホームページより抜粋

 補聴器を使っている方の中には、「うるさい」「雑音が多い」「良く聞こえない」と言った理由から途中でやめてしまう方がおられます。これは補聴器調整(フィッティング)がうまくできていない場合や、購入後の聴力に合わせた再調整がされていないことから、満足な結果が得られていないなどが理由と考えられます。

 当クリニックでは、このような考えのもと、聞こえで困っている患者さんのお手伝いができればと思い、補聴器相談医、認定補聴器技能者、医療スタッフが連携をとって診察を行っています。以下、当クリニックでの補聴器外来の流れをお示しします



補聴器外来診察の流れ

1)一般外来を受診
 最近“人との会話が悪くなった、補聴器を試してみたい”と思っている人は、まずは、当クリニックを受診してください。また、現在他の店で買った補聴器を使用しているが、どうも調子が悪い、と思っている患者さんも受診されてかまいません。一般の診療時間内ならいつでも構いません、最初の受診は、予約は不要です。
 耳・鼻・のどなどの一般的な診察の際に、耳垢(みみあか)が溜まってないか、鼓膜が正常かなど、聞こえに関する部分を十分に診察します。その後、純音聴力検査(音による聞こえの検査)などを行います。もし、診察の際、中耳炎などの病気が見つかった場合はその病気の治療も行います。
 その後は予約日をとりながら診察していきます。

2)補聴器外来を予約
 補聴器を希望される場合は、補聴器外来での試聴前に一度語音聴力検査(言葉の聞こえの検査、15分程度)を予約枠で行います。
 その後、毎週火・木・金曜日に行っている補聴器外来の予約枠で、補聴器の試聴を開始します。この際、それまでの検査、当日行う検査、患者さんの日常生活様子、また補聴器はどの様な種類(耳かけ、耳穴、箱型等)か良いか、等を総合的に判断して(片耳でいいのか?どちらの耳がいいのか?なども)、補聴器の試聴を開始します。
 この日は90分程度時間がかかりますので時間に余裕を持ってきてください。

 補聴器はどの様な種類(耳かけ、耳穴、箱型等)がある? 
  ⇒補聴器販売者の技能向上研修等事業のホームページへ

3)試聴と購入(または終了)
 試聴期間は、2週間から1か月間ぐらいです。自宅や職場などで使っていただいた後に、当院に再受診してもらい、試聴期間の状況を聞いて補聴器の調整をします。
 必要な場合は、再度試聴期間を設けています。最近の補聴器にはいろんな機能がありますので、その機能を試していただく期間でもあります。
 試聴期間が終了したら、補聴器を患者さんにあわせたうえで、補聴器を使用したままでの聞こえの検査(補聴器適合検査)を行っています。

 それまでの試聴や検査で補聴器を使用してご自身に効果がないと感じた場合は、一旦補聴器外来は終了します。難聴の原因となっている病気に関する治療が必要な場合は、継続して治療を行います。
 補聴器を今後の生活に活かしていこうと考えられた患者さんは、購入の手続きに入ります。ただ、補聴器の性能・機能と価格には関連がありますので、十分に相談の上に機種を決めてもらいます。

 尚、購入に関しては、難聴の程度によっては、公的助成対象になる場合もあります。また、購入費用が医療費控除の対象になる場合もあります。詳しくは、補聴器購入の前に相談してください。

 補聴器はどの様な性能がある?補聴器購入に関する公的助成は?
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4)作製、調整、納品、アフターケア
 購入を決められた患者さんには、耳掛け型補聴器の場合は、約1週間程度、耳穴型補聴器の場合は約2週間程度の、注文から納品までの期間を頂いています。

 ----補聴器は購入後がもっと大切!----

 購入したからといって、それで補聴器外来は終了ではありません。どちらかというと購入後が非常に大切です。補聴器を使用していて便利な点、不自由な点を聞きながら、患者さんにあった補聴器の調整をしていきます。
 当院では、購入してから慣れていただくまでに、購入直後は、約2週間から1カ月間に1回の経過観察・微調整のための再診を行っています。
 補聴器を使用した生活に慣れてきたら、約3ヵ月から半年に1回の経過観察の診察を行っています。
 この診察の際は、耳に耳垢が溜まっていないか、鼓膜に傷がないかなどの診察や、聴力に変化はないかなどの検査を行いながら、補聴器の調整を行っています。
 いずれも予約をとって行っていますが、途中で補聴器の調子が悪くなったり、予定より早く診察してもらいたい場合は、早めに受診されてかまいません。